木魚歳時記第4692話

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 頼朝は本来、目的のためには手段を選ばず権道を行き、また事毎に人々を疑い、憎しみによって人生を処理する人であったろうか。もし然らば、彼は一議なく地獄から来たに相違ない。しかし彼には自分の過去の罪を自ら処罰するだけの潜在意それを識もあり、彼のこれら数々の非道に暗い一面とは別に、やさしい心情の見られる節もあり、その残忍性はむしろ後天的ななもののように思われるのを、少々理に落ちるのもいとわず研究してみたい。(佐藤春夫『極楽から来た』)1329

      さつきから鵙がしきりに啼いている  鵙(ひよ) 

 「ボクの細道]好きな俳句(2429) 矢島渚男さん。「数へ日のこころのはしを人通る」(渚男)。「こころのはし」が迫ります。「橋」か?「端」か? ぼくは後者と思います。ところで、最近、ボクは「モノ忘れ」が激しい。困っています。しかし「忘れた」で済ませれば生活の知恵として有効かも?「忘却とは忘れ去ることなり」(NHK『君の名は』)

  ねんぶつわ、ときのさいそく、
  なむあみだぶつ。
  『定本 妙好人 才一の歌』(楠恭編)