木魚歳時記第4403話 

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 なるほど山門には今も反清盛熱がきざし、不平分子も少なくはなかった。そうしてこの仲間は、清盛の今度の処置に対しては、なお一段の反感をそそられ明雲を罵(ののし)りながらも、今頃は寺門にいるはずの高倉宮や頼政のところへかけつけるほどの熱情も勇気もなかった。
(佐藤春夫『極楽から来た』)1053

     ここからは先の見えない枯野かな            

 「ボクの細道]好きな俳句(2143) 波多野爽波さん。「脱いである褞袍いくたび踏まれけり」(爽波) 褞袍(どてら)とは、綿を入れた防寒着のことです。防寒着も最近は「進化」するようです。ドテラはすでに死語? 帰宅したお父さんが脱ぎ捨てたドテラを子どもたちが踏んで通ります。さて「人間は努力をするかぎり迷うものだ」(ゲーテ『フアウスト』)

  地獄のわしがお礼ねんぶつ
  なむあみだぶつ。
  『定本 妙好人 才一の歌』(楠恭編)