木魚歳時記第4404話 

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 六波羅の軍は今大部分は高倉宮討伐のためここに集まっている。今こそ夜襲の好機会である。と思いながらも頼政は踏ん切り悪くぐずぐずしているうちに鶏鳴(けいめい)に達し機を失ってしまった。
(佐藤春夫『極楽から来た』)1054

      マンダラの仏ぞ笑ふ四温晴

 「ボクの細道]好きな俳句(2144) 波多野爽波さん。「夜着いて燈はみな春や嵐山」(爽波) 京都嵐山(らんざん)は観光地ですが、にぎわうのは渡月橋を中心に昼間のことです。夜の嵐山は真っ暗で、わずか渡月橋の両岸にならぶ料亭の「ぼんぼり」の灯(ひ)が春の艶やかさをにじませます。さて「どこまでも澄んでいて、しか底の知れないものが真に深いのである」(三木清『読書と人生』)

  このやみが六字の月にてらしとられて、
  娑婆ながら六字のなかにをるぞうれしや。
  『定本 妙好人 才一の歌』(楠恭編)