正しく時忠の豪語そのままの情勢は旧日の藤原氏に似るもので、天下衆人の怨府（えんぷ）でもあった。これを打倒する力のある者は山門でなければ院の側近あるばかり。
上皇御当人よりは側近が先に立って平氏打倒を謀るのを、上皇もこれを制止遊ばぬばかりか、御自身も山荘密議の場に臨もうとなさる御軽挙を静賢法印がお諫（いさ）め申したとか。
（佐藤春夫『極楽から来た』）984
冬薔薇しんと静まるヨハネ像 薔薇（そうび）
「ボクの細道］好きな俳句（2073） 永田耕衣さん。「空蝉のかなたこなたも古来かな」（耕衣） 蝉が地虫から羽化するのは１７年ほど時間を要することもあるとか？ 「空蝉」（うつせみ）、つまり小さな蝉のぬけ殻と、悠久の地球のタイムスパーンを対比したところが凄い！
さいちが、ごくらくどこにあう。
こころにみちて、み（身）にみちて、
なむあみだぶが、わしがごくらく。
『定本 妙好人 才一の歌』（楠恭編）
