しかし、この陰謀がまたしても頼政の一味たる多田蔵人行綱の裏切りによって発覚した。その結果として、院の有力な寵臣が一網打尽となったのは院の無力な寵臣たる頼政には思うツボであったかも知れないが、これまで頼政のせいとすることもできまい。
由来、裏切りは多田源氏のお家芸である。それに行綱というのは八条院の蔵人であるという。
(佐藤春夫『極楽から来た』)977
芋七つ八つ九つと収穫す
「ボクの細道]好きな俳句(2066) 永田耕衣さん。「空蝉や触るも惜しき年埃」(耕衣) 「空蝉」(うつせみ)つまり、蝉のぬけがらのまま、相当に長く原型をとどめたままです。しかし、触れるとたちまち壊れてしまう危うさは変わりません。長生きした老体も、年埃(としぼこり)の中で齢(よわい)を重ねて行くものです。
つの(角)でつきやら、けん(拳)でつくやら、
あさなし、あさまし、あさましや。
『定本 妙好人 才一の歌』(楠恭編)