当時、叡山は座主明雲をはじめ上層部すべて平家と気脈を通じていたが、大衆は必ずしも平家に与(くみ)するとは限らず、かえって学侶対する階級的反感から上層部に反対する動きさえ見せてた。
(佐藤春夫『極楽から来た』)972
木枯しに唇ひらきたる山猫亭 唇(くち)
「ボクの細道]好きな俳句(2061) 永田耕衣さん。「水を釣つて帰る寒鮒釣一人」(耕衣) 寒鮒(かんぶな)釣は出来の悪い結果に終わったのでしょう。それはともかく、日々暮らすのは一人。寒鰤釣りの成果は一尾。寒鮒からのしずく一滴。まことに、作者のさばさばに乾いていく気持ちが推察されます。
わしとあなたのひたしいことわ。
とくにいわれの(ぬ)、なむあみだぶつ。
『定本 妙好人 才一の歌』(楠恭編)