木魚歳時記第4283話

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 と、突き出した皿には血のりのなかに盛り上がった耳たぶが一つあった。彼はおのれの片耳をそいで餞別にしたのである。
(佐藤春夫『極楽から来た』)939

      はこべらの熊がとつぜんおどりだす

 「ボクの細道]好きな俳句(2023) 池田澄子さん。「おさなごの息がルーペに花はこべ」(澄子) ルーペ(虫メガネ)で拡大されるハコベの花は、また、違った印象があるのでしょう。ルーペを手放そうとしない幼子。春まだ寒いころ、「はこべら」に誘われて熊も踊り出します。

  なむあみだぶの、をんすがたは、
  ごくらくあらわせてくださる、をんすがた{た}なり。
  『定本 妙好人 才一の歌』(楠恭編)