木魚歳時記第4173話

f:id:mokugyo-sin:20200407054828j:plain

 九月十二日には信西の子で当代第一といわれた説教僧澄憲(ちょうけん)子供に広隆寺の牛祭りを見せに来たといって立ち寄って、夜まで説教の種を仕入れて行った。つれてきたのはまだ十ばかりの子供であったが、さかしげに耳を傾けて、父と法然との対話に聞き入っていた。
(佐藤春夫『極楽から来た』)833

        天上天下唯我独尊甘茶仏  

 「ボクの細道]好きな俳句(1918) 鈴木六林男さん。「昼寝よりさめて寝ている者を見る」(六林男) いろんな読みができます。また、その景が浮かんできます。さて「唯我独尊」とは。吾という存在は、この世の中に唯一つしかない。そのこと自体が尊いのだ。つまり、個性の尊重を意味します。ボクのような「あかん男」を揶揄(やゆ)する場合の「独尊居士」の用い方は、悪い意味での「唯我独尊」の用い方となります。

  あなた、わたしを、もくてきに、
  わたしや、あなたのしん(信)が、もくてき、
  なむあみだぶつの、しん(信)をもろをて。
  『定本 妙好人 才一の歌』(楠恭編)