「昔は源平、勝劣なかりき。今は源氏においては無きが如し。頼政わずかにその末に残りて、たまたま綸言(りんげん)を蒙り、勅令背き難ければ、この門を固むるばかり也。然れども(中略)神輿に向かい奉って弓を引き、矢を放つべきならねどば、門を開いて下馬仕り、引き退いて神輿を入れ奉るべし。その上わずかの少数なり、宗徒を禦(ふせ)ぎ奉るに及ばず、此上(このうえ)は大衆のお計らいたるべし」
(佐藤春夫『極楽から来た』)619
こほろぎが土間のどこかにたしかゐる
「ボクの細道]好きな俳句(1692) 松尾芭蕉さん。「夏草や兵どもがゆめの跡」(芭蕉)
信により 淵を渡る
心をおさめることを船頭とし
精進によって苦を除き
智慧によって彼岸に至る(ブッダ)
蛙(かえる)2 彼女らは、睡蓮(すいれん)の広い葉の上に、青銅の文鎮(ふんちん)のようにかしこたっている。 一匹のやつは、喉(のど)をいっぱいにあけて空気を飲み込んでいる。その口から、腹の貯金箱の中へ、一銭入れてやれそうだ。