木魚歳時記 第788話

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 昔、称念寺(しょうねんじ)という貧乏(びんぼう)寺があった。和尚(おしょう)は猫が好きでなあ、子猫と暮らしていたそうな。

  「心。ひろく、ひろく、もっとひろく」(高田好胤

 その日は、和尚(おしょう)の虫のいどころが悪くて、いたずら子猫を追い出してしまった。その晩、和尚(おしょう)の枕元で「明日、大切なお客がみえます。いいことがありますよ」。と、子猫が告げたそうじゃ。翌日、称念寺(しょうねんじ)を松平家の菩提寺(ぼだいじ)に、との依頼があった。そこで、和尚(おしょう)が子猫を探したところ、松平家の門前で死んでいたそうじゃ。それからは寺も立派になってなあ・・人は、この寺を猫寺(ねこでら)と呼ぶようになったそうな。<称念寺寺之内浄福寺西入ル> 

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