遠山の たちまちにして 夏の色
「和尚」(おしょう)とは、今日では、寺の住職・僧侶を指します。もともと、バラモン教やジャイナ教で用いられた先生・師匠の言葉が仏教にもとり入れられたのです。
仏教教団においては、師匠が弟子に仏道を教えるだけでなく、托鉢や食事のマナーまで指導を行いました。また、弟子は師匠に対して衣食住をはじめ身の回り一切の世話をするのが常でした。つまり、両者は一方的な主従関係ではなく、お互いに面倒をみるという関係であったのです。
日本に仏教が伝わると、朝廷で僧侶の官位を示す語として「和尚」が用いられました。そして、これが転じて高徳の僧に対する尊称ともなったようです。また「和尚」の読み方も、宗派によって「おしょう」「かしょう」「わじょう」となります。
やがて時代がくだると、一般的に僧侶を「和尚」と呼ぶようになります。とりわけ関西では、和尚を「おっさん」と呼ぶことがありますが、これはイントネーションを誤ると、親爺(おっさん)となってしまいます。
「和尚とて 一服欲しい 新茶かな」