木魚歳時記 第544話

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 「大黒天」(だいこくてん)は古いインドのことばで「マハー・カーラ」といいます。直訳すると「偉大なる黒き神」という意味になります。また、大黒天はヒンズー教最大の神とされるシヴァ神の別名の一つとされています。

 ところで、日本では<大黒さま>といえば思い浮かぶのは、七福神の<大黒さま>とか、大黒柱とか、それから、もう一人の<大黒さま>すなわちお寺の奥さまのことです。これは、中国の義浄三蔵(ぎじょうさんぞう)という方が現わした『南海寄帰内法伝』という書物の中に「寺の厨房に大黒天の木彫り像あり・・云々」の記述に基くといわれています。これが根拠となって、各寺院の台所に大黒神をお祭りし、一家を支える中心というところから大黒柱という呼び名が生まれたものでしょう。わが自坊にも「快速ゴロ男」の<いさみ足>を補い「黒き神」が君臨されています。

   初しぐれ一つ噂を残しける