2014-01-07から1日間の記事一覧

木魚歳時記 第1372話

肩たたき 母さん お肩をたたきましょう タントン タントン タントント 西条八十作詞。これも中山晋平作曲です。二行詩のようなやさしい歌詞が五番まで続きます。日本式の家屋の縁側での母と子(おそらく娘)の情景が目に浮かんできます。さて「俳句では、山…

木魚歳時記 第1371話

兎のダンス ソソラ ソラ ソラ 兎のダンス タラッタ ラッタ ラッタ ラッタ ラッタ ラッタ ラ 脚で 蹴り蹴り ピョッコ ピョッコ 踊る 野口雨情作詞。擬音の繰り返しが、中山晋平の軽快なリズムニ乗ると、なんともいえない楽しい世界に生まれ変わる。雨情・晋平…

木魚歳時記 第1370話

あわて床屋 春は早うから川辺の葦に、蟹が店出し、床屋でござる。チョッキン、チョッキン、チョッキンナ。 北原白秋作詞。詩や童謡はその内容によって、叙景・抒情・叙事・物語詩に分かれます。これは数少ない、その物語童謡です。さて「いい俳句と出会った…

木魚歳時記 第1369話

青い目の人形 青い眼をした お人魚は アメリカ生まれの セルロイド 野口雨情作詞。雨情の作品の中で「赤い靴」とこの童謡が、外国とのつながりを感じさせる異色作品とされています。さて、俳句について「わが師大野林火は、捨てる俳句は丁寧に文字が判読でき…

木魚歳時記 第1368話

赤い鳥小鳥 赤い鳥、 小鳥、なぜなぜ赤い。 赤い実をたべた。 北原白秋作詞。白秋・雨情・八十は、三大童謡詩人と称されました。この作詞にも、抒情詩とまた違った深い趣があります。仏教では「赤い色には赤い光が、白い色には白い光が、青い色には青い光が…

木魚歳時記 第1367話

背くらべ 柱のきずは おととしの 五月五日の 背くらべ 粽たべたべ 兄さんが 計ってくれた 背のたけ 浅野厚作詞。端午の節句になると柱で背丈(せてけ)を計る習慣があったそうです。それも江戸時代から続いていたとは驚きです。ぼくの寺の黒ずんだ柱にも、子…

木魚歳時記 第1366話

赤とんぼ 夕焼、小焼の 赤とんぼ 負われて 見たのは いつの日か 三木露風作詞。露風が北海道のトラピスト修道院の講師であったときの作詞といわれています。「負われてみた」を「追われてみた」と思い込むのは論外のことでしょう。母や、姉の背に「負われて…

木魚歳時記 第1365話

花嫁人形 きんらんどんすの 帯しめながら 花嫁御寮は なぜ泣くのだろ 藤田虹児作詞。幸せに満ちた花嫁御寮にも複雑な心境があるのでしょうか?そんな女心の微妙さが共感を呼ぶのでしょう。さて「俳句では、一文字の大切さはすべての言葉にあてはまります。『…

木魚歳時記 第1364話

夕焼け小焼け 夕焼小焼で 日が暮れて 山のお寺の 鐘がなる お手々つないで 皆かえろ 烏と一緒に 帰りましょう 中村紅雨作詞。中村紅雨は野口雨情に師事した作詞家。この童謡を歌うときは夕焼けに染まった景色が目の前に浮かんできます。歌碑が八王子市の宮尾…

木魚歳時記 第1363話

かなりや 唄を忘れた金糸雀は 後ろの山に 棄てましょか いえ、いえ、それはなりませぬ 西条八十作詞。これは、鈴木三重吉が主宰した童謡運動の第一号作品だそうです。それにしても、わらべ唄、童謡、唱歌にしても怖いことばの登場するのには驚きます。さて「…

木魚歳時記 第1362話

月の砂漠 月の砂漠を はるばると 旅の駱駝がゆきました 金と銀との鞍置いて 二つならんでゆきました 加藤まさを作詞。千葉県の御宿海岸の砂浜をイメ-ジして作られたと伝えられています。幻想的なメルヘンの世界をペギー葉山が熱唱してヒットしたようです。…

木魚歳時記 第1361話

てるてる坊主 てるてる坊主 てる坊主 あした天気に しておくれ 浅原鏡村作詞。子どもの頃、あした遠足とか、運動会がある前の日の夕刻には、てるてる坊主を軒下に吊るしました。てるてる坊主の風習は江戸時代からあるそうです。長野県池田町に「浅原六朗(本…

木魚歳時記 第1360話

叱られて 叱られて 叱られて あの子は町まで お使いに この子は坊やを ねんねしな 清水かつら作詞。この作詞家は、「雀の学校」「靴が鳴る」の作品もある童謡詩人です。「夕べさみしい 村はずれ こんときつねが なきゃせぬか」とつづきます。さて「俳句で、…

木魚歳時記 第1359話

宵待草 待てど 暮らせど こぬひとを 宵待ち草の やるせなさ こよいは月も 出ぬそうな 竹下夢二作詞。千葉県銚子市海鹿島に「宵待草碑」があります。かって、この島を訪れた夢二は、実らぬ恋を宵待草に託して、この甘美でせつない抒情詩を作ったとされます。…

木魚歳時記 第1358話

赤い靴 赤い靴 はいてた 女の子 異人さんに つれられて 行っちやった 野口雨情作詞。青い目をした異人さん(宣教師)につれられ養女とし米国に行ったはずの女の子(岩崎きみ)。実は、出発の前に、病気(結核)となり、九歳のはかない命を終えたそうです。い…

木魚歳時記 第1357話

蝶々 ちょうちょう ちょうちょう 菜の葉にとまれ 野村秋足(あきたり)作詞。この唱歌の蝶は、春一番に現れるモンシロチョウだそうです。蜜の採取と勾配の目的で、菜の花に集まるのだそうです。それでは、歌詞の「菜の葉」は、「菜の花」では?いえ「菜の葉…

木魚歳時記 第1356話

七つの子 烏 なぜ啼くの 烏は山に 可愛七つの 子があるからよ おなじみ、野口雨情作詞の童謡です。私事ですが、ぼくは戸籍上の六男です。戦前戦後という特殊事情もありましたが、ぼくの兄たちは次々と亡くなりました。この童謡の歌詞に触れるたびに、わが子…

木魚歳時記 第1355話

どんぐりころころ どんぐりころころ ドンブリコ お池にはまつて さあ大変 どじょうが出て来て 今日は 坊ちゃん一緒に 遊びましょう 青木存義(なかよし)作詞の唱歌です。僕(どんぐり)と遊んでくれる泥鰌(♀)などはおりませんでしょか。ふむ。後が怖いか…

木魚歳時記 第1354話

しゃぼん玉 しゃぼん玉 とんだ 屋根までとんだ 屋根までとんで こわれて消えた (中略) 風 風 吹くな しゃぼん玉 とばそ 野口雨情作詞のあまりにも有名な歌詞です。二歳で亡くした雨情の娘のことを歌った歌詞として知られています。しゃぼん玉が、せめて、…

木魚歳時記 第1353話

かごの鳥 あいたさ見たさに こわさを忘れ 暗い夜道をただひとり (中略) 出るに出られぬかごの鳥 千野かほる作詞のこの歌は、大正末期から昭和にかけて一世風靡したそうです。ぼくの<おふくろ>がこの歌を、いつも口ずさんでいたことを覚えています。とり…

木魚歳時記 第1352話

鞠と殿さま てんてん手ん鞠 てん手鞠 てんてん手鞠の 手がそれて (中略) おもての通りへとんでった とんでった ぼくの<おふくろ>は紀州の産です。縁あって、河内の貧乏寺の住職であった<おやじ>のところへ嫁いだそうです。この歌を聞くとそのことを思…

木魚歳時記 第1351話

童謡など 「数え歌」「わらべ歌」と紹介してきました。そこでつぎは、日本の「童謡」「唱歌」などを中心に、ジャンルを問わず、ぼくの好きな日本の歌を紹介したいと思います。なお、写真の前半は、人形作家(有職御人形司十二世)伊東久重氏の御所人形および…