2013-12-29から1日間の記事一覧

魚歳時記 第898話

教えを守っておごらず 上記のことば『長阿含経』(じょうあごんきょう)にあります。わたしたちが、日常の暮らしの中で、おもわぬ落とし穴に落ちないためには、暗闇の中で<灯り>をかざして、先頭を行く人を信じてついて行きなさい・・ということです。 先…

魚歳時記 第897話

心の計らいをなくす 心の計(はか)らいをなくすとは「こうすればいいか、ああすればいいか。こうでもない、ああでもない。うまくいくか、いかないか。小賢(こざか)しく生きることを止めなさい」ということです。 仏教では「無明」(むみょう)といいます…

魚歳時記 第896話

広く学び深く究める あらゆることを幅広く知るとき・・そこに新しい世界が開けます。ひとつのことを奥深く究めるとき・・すべてに共通した真実が見えてきます。 真実とは?仏教の原語(サンスクリット)で、これを<ダルマ>といいます。そして仏法(ぶっぽ…

魚歳時記 第895話

相和し相敬う 和敬学園という児童福祉施設があります。そこへ子供のころ、おやじの使いで走らされました。和敬学園の子どもたちのことを、ふと思い出すことがあります。 釈迦(しゃか)の教えに「ひとつの世界に多くの人がいるのではない。ひとり一人が、一…

魚歳時記 第894話

犀の角のごとく独り行くべし 禅宗(ぜんしゅう)の祖である達磨大師(だるまだいし)は、壁(かべ)に向けて九年間の坐禅(ざぜん)をへて悟(さと)りに至られたと伝えられます。これが<七転び八起き>の格言の源との説もあります。 初期に成立した教典(…

魚歳時記 第893話

身を正し心を正しくことばをまことに 釈迦(しゃか)は81歳のとき、インドのクシナガラで、最後の教えを説かれて亡くなられました。 最後の教えとは「弟子たちよこの教えを灯明(とうみょう)としてよりどころとせよ。この教えとは、心を修(おさめ)こと…

魚歳時記 第892話

つねに聞き つねに考え つねに修める お経の大部分は「如是我聞」(にょぜがもん)で始まります。「是(かく)の如(ごとく)我(わたし)は聞きました」の意味です。 仏教では「聞法」(もんぽう)といって、法(教え)を聞くことから始めます。次に「順法…

魚歳時記 第891話

真実に親しむ 表題は忘れましたが、幸田露伴の作品に「真実一路の旅なれば真実鈴ふりたづねゆく?」そんなような一節があったかと記憶しています。 原始教典(初期の段階に編集された教典群)といわれる『法句経』(ほっくきょう)の中に「善(よ)きことを…

木魚歳時記 第890話

いつもニコニコやさしいことば お金を使わずにできる<ほどこし> つまり「無財の七施」について話してきました。ところで『無量壽経』(むりょうじゅきょう)というお経の中に「和顔愛語」(わげんあいご)のことばが出てきます。これまで述べてきた、無財…

木魚歳時記 第889話

房舎施 房舎施(ぼうしゃせ)とは、それがわが家であろうと、集団生活の場所であろうと、いっしょにいる相手に、ゆっくりとくつろいで休ませてあげるための配慮(はいりょ)のことです。 仏教では「和合衆」(わごうしゅう)の環境を大切にします。「和合衆…

木魚歳時記 第888話

床坐施 相手に、すすんで座席をゆずり楽をしてもらう行為です。バスとか列車に乗ると<優先座席>のコーナーが設けてあります。座席を色分けして、その旨の表示がしてあるのを見うけます。そこまでしなくともと思います。 仏教の教えの「床坐施」(しょうざ…

木魚歳時記 第887話

言辞施 相手に、いつもやさしくいたわりのことばをかけることを「言辞施」(ごんじせ)といいます。 わたしたちは、いらいらしたり、くよくよしたり、悲しんだり、苦しんだり・・心の状態が悪いとき、つい、顔やことばに出てしまいます。荒いことばで相手を…

木魚歳時記 第886話

和顔悦色施 「和顔」(わげん)とは、やわらいだ顔。「悦色」(えつじき)とは、ニコニコと楽しそうな顔のことです。和(やわ)らいだ顔、楽しそうな顔、うしそうな顔、はなやいだ顔などなど、相手のそんな顔に接すると、こちらまで幸せな気分になります。 …

木魚歳時記 第885話

眼施 「眼施」(げんせ)と読みます。やさしいまなざしをすることです。みるからにやさそうな眼をされた方がおられます。それだけで、その人を好人物と思ってしまいます。 最近ぼくは、檀家さまの店の開店にうかがいました。洋服を着たぼくを見て、店の人は…

木魚歳時記 第884話

心施 前項の<親切な行い>をするには、やさしい気持ちがなければ、ほんとうの<親切な行い>とはなりません。つまり<やさしい>心で人と接する。これが「心施」(しんせ)の意味です。 仏教教団では、梅雨のころ托鉢(たくはつ)を休んで学問をいたします…

木魚歳時記 第883話

身施 仏教教団における重要な実践項目に「布施」(ふせ)があります。その一つが「財施」(ざいせ)です。仏教教団に財物を寄進(きしん)する行為です。ところで「布施」(ふせ)には、こうした財施(ざいせ)とは別に、心の<おもてなし>ともいえる無財(…