木魚歳時記 第884話

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心施

 前項の<親切な行い>をするには、やさしい気持ちがなければ、ほんとうの<親切な行い>とはなりません。つまり<やさしい>心で人と接する。これが「心施」(しんせ)の意味です。
 仏教教団では、梅雨のころ托鉢(たくはつ)を休んで学問をいたします。これを「夏安居」(げあんご)といいます。晴耕雨読(せいこううどく)のことです。これは<いのち>の育つこの時期に草の芽を踏んだり、土から出る虫を傷めないように・・との<やさしい>配慮です。<やさしさ>とはこんなことです。俳句では、夏安居(げあんご)ことを雨安居(あめあんご)と呼んで季語とします。

    野仏に石一つ積む秋の暮