木魚歳時記 第885話

f:id:mokugyo-sin:20131229065056j:plain

眼施

 「眼施」(げんせ)と読みます。やさしいまなざしをすることです。みるからにやさそうな眼をされた方がおられます。それだけで、その人を好人物と思ってしまいます。
 最近ぼくは、檀家さまの店の開店にうかがいました。洋服を着たぼくを見て、店の人は和尚(おしょう)であるとわからない様子でした。やっとわかってもらいましたが、その後のことばがふるっていました。「お店の前に、眼光鋭い人が来て立ち止まったので、一瞬、ぎょっとしました」。ぼくは目つきが<きつい>のです。よくわかっています。ぼくは好人物となれない和尚(おしょう)です。

    山寺はさわざわざわと竹の春