木魚歳時記第4828話 

 夢は六角堂、ご本尊救世(くぜ)観世音が一夜、玲瓏(れいろう)たる玉女となって参籠中の彼の枕もとに現れ、「善信よ、そなたは宿報によって女犯(にょはん)せずには生きられない身である。それを憐み、我は今ここにこの玉女となって現われ、そなたによって犯されようとしている。終生そなたに身をささげ、臨終にのせられて、のりゑ(得)させ、ついは極楽にも導こう。おそれる、これが我が誓願の趣旨なのだから」
 といって、玉女はいつまでも枕もとを去らない。
(佐藤春夫『極楽から来た』)1461

        老僧のうしろに眼あり雨安居

 「安居」(あんご)は夏季となります。僧の研修会のことです。いろんな意味で、夏と冬の2回に分けて開催されて来ました。さて、前列に正座する老僧の背中には、相応の威厳を感じるものです! ぼくの師僧もぼくに厳しかった(汗)。しかし、今、つくづく有難いことであったと感謝しています!