木魚歳時記第4577話

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 そこでその日の夕刻、念仏信心の他にわが身の中にたよりのできる何ものもないと述べ終わると、顕真は柄香炉(えごうろ)をを取って法然を拝し、
  姿を見れば法然房、まことは阿弥陀如来の化現(けげん)
 と本尊と法然とを囲繞(いにょう)して行進しはじめたので、みな人も起(た)ってあとにつづきました。弥陀一教、利物偏増とはげにこの事かと、未熟な身にもその感激は容易にさめず、父に頼んで法然師の門に入れてもらった事にございました」 
 耳を傾けて居られた院はいとおしげに聖覚を見やってうなずき給うた
(佐藤春夫『極楽から来た』)1218

        こおろぎの髭のさきまで黒子かな

 「ボクの細道]好きな俳句(2316) 伊丹三樹彦さん。「鼻さきにたんぽぽ むかし 匍匐の兵」(三樹彦) 匍匐(ほふく)の兵とは、戦闘で「匍匐前進」。つまり腹ばいになり前進することです。さて、ボクは、戦争の体験はありませんが、匍匐前進を命じられた兵士は何を思った? 

最後は死をも

愛せるようになる
(ヘルマン・ヘッセ)