木魚歳時記第4281話

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 泣くなと慰めて杯をすすめているうちはよかったが、悲しみと憤りとを忘れようと酒を浴びているうちに、怒りつ、泣きつ、わけもなく笑いつ、一座は険しい空気を醸しだして。戸外には夕方からの風が夜に入ってますます吹きつのり、わめき狂っていた。
(佐藤春夫『極楽から来た』)937

       爽やかや鳩がすうすう啼いている

 「ボクの細道]好きな俳句(2021) 池田澄子さん。「ここ此処と振る手儚し飛花落花」(澄子) 「儚し」(はかなし)とは? 「ここよここよ」と振る手のにも気がつかず、遠く去りゆく彼の後ろ姿・・わたちの恋はもう、おしまいとなのでしようか・・

  わたしや、うれし、
  ぷ(凡夫)のねぎりしてもろて、
  あうてないのも、をなじこと、
  うれし、うれしのなむあみだぶつ。
  『定本 妙好人 才一の歌』(楠恭編)