木魚歳時記第4275話

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   しかし流されるやこれを送る者にとっては悲痛限りもないこの酒盛りである。愛する者たちから遠く去り、鬼の住むかと思われる東国へ追放される不安は、ひと思いに四の世界に行くのと大差もなく、なまじいに生きて苦労する方が重荷と思われるのである。とこく空想は現実より不安恐怖に満ちている。
(佐藤春夫『極楽から来た』)932

      秋簾つひ面倒だ巻いたまま  簾(すだれ)

 「ボクの細道]好きな俳句(2016) 池田澄子さん。「枯園でなくした鈴よ永久に鈴」(澄子) ほう。母よりの形見分けか? 茂みの中に失くしてしまった鈴のことを思い出したというのです。さて、秋の月(陰翳)を眺めて、餅を搗くウサギの姿を連想するか? それとも、未来の「月面探索計画」のことを連想するか? それは自由です。が、ボクは前者派です。(笑)。

  れんによさま、このさいちなままの、
  れんによさま、ここ{ろ}もわしに、
  あむあみだぶつ。
  『定本 妙好人 才一の歌』(楠恭編)