木魚歳時記第4252話

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  そうして七月八日崩去され、お年は三十五歳であらせた。春の日の花やかにお元気なお姿はまだ人々の眼底にありながら、女院は既に世に在(おわ)さぬのである。
 女院はかねて仏法に深く帰依されて蓮華王院のわきに法華三昧堂を建てて居られたのが崩去の後に完成したのでここに葬り奉った。
(佐藤春夫『極楽から来た』)909

       向日葵の六尺ほども伸びにけり

 「ボクの細道]好きな俳句(1994) 池田澄子さん。「新宿のノエルのたたみいわしかな」(澄子) ふむ。ノエルとは? フランス語の降誕祭? 畳鰯(たたみいわし)は、イワシの稚魚を一夜干したもので、では、ノエルとの関係は? それは、読者の「感覚」ゆだねられます ! 本来「取り合わせ句」とはそうしたものでしょう?

   めにわみえねど、
   をやと、はなしを、するごとく。
  『定本 妙好人 才一の歌』(楠恭編)