木魚歳時記第4093話

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 「それは存じて居ります。ですが資格が」
「資格はわしが与える。わしの代理で行け。考えがある。わしが命じる」
「お師匠さまがお命じとならば、ご辞退のすべはございません」
(佐藤春夫『極楽から来た』)760

       病室の空念仏や春の昼  空(から)

 「ボクの細道]好きな俳句(1839) 稲畑汀子さん。「長き夜の苦しみを解き給ひしや」(汀子) 作者の苦しみとは? 作者、晩年の作品でしょうから! すでに悟りの域と感じましたが・・さて、もしボク(83歳)が、突然、手術の必要に迫られたとしたら! 手術が不可避となったなら! 術後の、酸素ボンベ、点滴のクダ、排尿管と尿瓶(しびん)にがんじがらめになり、悶々と身もだえする我が身が浮かんできます。そんなとき、S氏なら、病室でもかまわず空念仏(からねんぶつ)するでしょう。「木魚ぽこぽことからつぽ春の昼」(木魚)

  わたしや、しやわせ。
  なむあみだぶにしてもらい。
  それにな(名)のつく、なむあみだぶつ。
  『定本 妙好人 才一の歌』(楠恭編)