木魚歳時記第4381話

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 五月十五日、検非違使兼綱(頼政の次男)らが三条高倉宮に向かった時、門は堅く閉されて敲(たた)けども応対もない。裏門を押し破って屋内に入ると、暮れなずむうすら明りの座敷に幼い二児が組打ちして戯れるのをその母が見守っているばかりで、宮の姿はどこにもなかった。婦人にその行方を問うが知らない。事実知らぬらしいから深くは追及せず、兼綱はただ、泣きわめく二児を人質として抱き捕えて帰った。
(佐藤春夫『極楽から来た』)1031

        草庵に来て六年や帰り花 

 「ボクの細道]好きな俳句(2121) 波多野爽波さん。「夕方の顔が爽やか吉野の子」(爽波) 「吉野の子」が素敵です! 読者がいろいろと想像できるからです。さて「帰り花」とは、サクラに限らず、季節外れに咲く花のことです。ボクは、最近、慢性心不全と診断され、早速「コ・ボレーヌ」つまり、尿瓶(しびん)を買い求めました(笑)。

  弥陀のほを(法)ならわしが法、
  わしが法ならなむあみだぶつ。
  『定本 妙好人 才一の歌』(楠恭編)