木魚歳時記第4091話

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 「院に病を持ちこんではならぬ。そなた代わりに参ってくれ」
「何のためですか」
「実は式子内親皇が今度ご病気で斎院(さいいん)をさがられたについて、ご落飾あそばす。それでわしに授戒に来いと仰せ出された」
(佐藤春夫『極楽から来た』)758

       こんな夜は雪女来て戸を叩く

 「ボクの細道]好きな俳句(1837) 稲畑汀子さん。「見る者も見らるる猿も寒さうに」(汀子) ボクの実体験です。お正月の三日間、お寺は檀家さまの墓参で賑わいます。ボクは、大黒さんの目を盗んで「煤逃げ」ならぬ、「寺抜け」の怪しからぬ行動に出ました。つまり、動物園への写真撮影でした。そこで寒そうなサル君を見ました。このときのボク気持ちが、この俳句と同じだったことを思い出します。

  もをねん(妄念)わ、ありながら、
  いまわ、をじひに、のせられて、
  ごをんうれしや、なむあみだぶつ。
  『定本 妙好人 才一の歌』(楠恭編)