木魚歳時記第4057話

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「はい、下界に行くと目につきます。太秦には母の妹になる者が居りますが、それの娘の目もとの色を美しいと思って見ました」
「それはそなたの従妹だな。度々見ることはあったか」
「いいえ、ただ一度」
「その従妹のほかにはなかったか」
(佐藤春夫『極楽から来た』)724

       豪雪が夜中にやって来るやうだ

 「ボクの細道]好きな俳句(1804) 長谷川櫂さん。「春の水とは濡れてゐるみづのこと」(櫂) そのとおりでしょう。しかし、水が「ぬれている」とあからさまに言い難い。それを言い切られるのが凄い。ボクの好きな、飯島晴子さんのことを、ふと思い出します。両者の感性の方向性は違いますが・・

 カナリア6 彼はまだサラダ菜の効能を知らない。で、面白がって引き裂くだけだ。
彼が、ほんとにその気で、餌をつついて呑み込もうとする時は、全く気の毒になる。彼はそれを嘴(くちばし)の中であっちこっち転がし回し、押し付けてみたり、潰してみたり、まるで歯抜け爺さんみたいに、頻(しき)りに首をひねっている。