木魚歳時記第4049話

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「それは珍重、そなた十年の間、山を上がったり、下ったり、井戸つるべのようなことをして下界から何ものを汲み取ってきたのか、見たものは何だ?」
「はい、推古以来のさまざまなお寺、そうしてその寺におわしますみ仏たち、その前にささげられた花の色香など」
「堂塔にも、みな仏の相(すがた)があるのだが、そのなかにもおのずからそれぞれに相違があるのは見なかったのか」
(佐藤春夫『極楽から来た』)717

       川端の道いつぱいに落葉かな  

「ボクの細道」 好きな俳句(1796) 長谷川櫂さん。「冬の日や縁の下まで箒の目」(櫂) ボクはお寺で生まれ、お寺で育てられました。お寺ではたいてい日曜日にご法事があります。子どものころ、ボクは師僧(親父)に命ぜられ、庭のお掃除をしました。もちろん「縁の下」まで手箒(てぼうき)で掃きました。ですから、友達と遊ぶことはできませんでした。

 鳥のいない鳥籠4  で、人が驚きの顔で尋ねると・・「僕はこの鳥籠を見るたんびに、自分の寛大さを嬉しく思うのさ」と、彼は言う。