木魚歳時記第4054話

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「そうだ。あれだけ大きいとやはり身に迫るものが違うな。あれほどの観音像の必要もないが、せめて等身ぐらいな観音像をそなたに拝ませてやりたかったな。知ってのとおり、ほかのみ仏は男女のいずれでもなく中性だが、観音さまは、そのお慈悲から、女体を現じて、うら若い修行者たちの欲情に応(こた)て、おん身の穢れをもいとわず進んで犯されようとしてござる奇特な仏さまなのだ。後に天部の女身像、たとえば吉祥天などのようなものも出ているが、やはり観音像が一番ありがたいな」
(佐藤春夫『極楽から来た』)720

        色欲は己の業か落椿  業(ごう)

 「ボクの細道]好きな俳句(1801) 長谷川櫂さん。「大雪の岸ともりたる信濃川」(櫂) アルプスを発した流れが、その名を、千曲川、信濃川と変えながら、滔々(とうとう)と流れ下る景色が連想できます。それにしても「岸灯る」とは! 「かたつむり甲斐も信濃も雨の中」(飯田龍太)

 カナリア3  ビスケットを籠の横木の間に糸で結びつけてやる。すると、彼が食うのはその糸だけだ。彼はまるで金鎚(かなづち)のような勢いで、そのビスケットを押したり引いたりする。で、ビスケットは落ちてしまう。