木魚歳時記第3988話

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 「古い昔でございますが、さる方さまからお迎えをいただいたことがございました。今までにないほど気の張る思いで、そわそわしておりますと、月も出で参り、風さえ肌寒く、夜もだいぶん更けました。ただわくわくと気をもんでおりますと、車の音が遠くとどろき、いよいよ近くなって胸もときめく。ためらわれたが、ぐずついていてはなを落ちつかず、思い切って乗り込みました。
(佐藤春夫『極楽から来た』)662

       寒灯の灯ともる始発駅

 「ボクの細道]好きな俳句(1735) 与謝蕪村さん。「石工の鑿冷し置く清水かな」(蕪村) 冷徹な目が光ります。
       
       学ぶにはまず自らを正しくすることだ
       それから人を正しくさせなさい
       この身を調御して智慧(ある状態)に入れば
       必ず上の境地に進むことになる(ブッダ)

 蟻と蝦蛄(しゃこ)の子4 彼は、ちょうど、一本の木の陰に、横向きになって寝ていた。すると、件(くだん)の蝦蛄(しゃこ)の子が、蓮華(れんげ)畑を横切りながら、ちょこちょこ、餌を拾っているのが眼についた。