木魚歳時記第3984話

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(五)後白河院の御所は、今日いつになく閑散であった。近習の公二、三人と女房も幾人かいて、心のどかに雑談をしていた折のこと、院が仰せ出された。
「みなそれぞれに身にしめて忘れがたない秘密が何かありそうなものである。懺悔(さんげ)になることでもあり、各自ありのままを包みかくしなく申してみようではないか」
(佐藤春夫『極楽から来た』)659

       山頂は無音の世界しづり雪

「ボクの細道]好きな俳句(1732) 与謝蕪村さん。「うぐひすや家内揃うて飯時分」(蕪村) 日常詠もあります。
       
       欲望を捨て執着がなく
       三界の障りがなく
       望む心が断ち切られている
       これがりっぱな人である(ブッダ)

  蟻と蝦蛄(しゃこ)の子1 一匹の蟻が、雨上がりの轍(わだち)のなかに落ち込んで、溺(おぼ)れかけていた。その時、ちょうど水を飲んでいた一羽の蝦蛄の子が、それを嘴(くちばし)に挟んで、命を助けてやった。
「この御恩はきっと返します」と、蟻が言った。