木魚歳時記 第1737話

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 豆を落す

 いざこざが起こり軍を出すか出すまいか王はボサツに相談をしました。ボサツはこんな喩え話をされました。「木の上で豆を食べていた猿が豆を一粒地面におとした。その豆を拾うために両手の豆を手放して木から降り、落ちた豆を探しましたが見つけることができませんでした」。つまり、猿は落とした豆も、手中の豆も、すべてを失うことになったのです「おろかな者は小さなことに気をとられて大きなものまでを失う」。これを聞いた王は軍隊を出すことをやめました。

     冬ひでり薬草園は荒れにけり