2014-01-09から1日間の記事一覧

木魚歳時記 第1512話

犬が尾を食うて廻る 犬が自分の尾っぽをくわえようとして、うまくゆかずグルグル廻るしぐさはよく見かけます。犬の習性についてわかりませんが、まさかノミに咬まれて痒くてそうするのではないでしょう。いくらあせってもおもうようにできない。苦労の割には…

木魚歳時記 第1511話

犬が追い出した鶉を鷹が取る 犬が、茂みに潜んでいる鶉(うずら)を見つけ、平地に追い出したところを、空を舞っていた鷹(たか)が横取りした、というのです。苦労の結果を横取りされて、そのかいがないという意味のことわざに用いられます。同義のことわざ…

木魚歳時記 第1510話

鷸蚌(いつほう)の争い 鷸(しぎ)と蚌(はまぐり)が、くちばしと貝殻を咬み合わせて争っていました。お互いが争いに気をとられているところに猟師が通りかかり、両方が捕まってしまったということです。無益な争いに興じているうちに、第三者に利益をさら…

木魚歳時記 第1509話

犬一代に狸一匹 犬が一生の間に、狸ほどもある大きな獲物をとるのは一度くらいしかない。そのところから、めったに遭わない珍しいことの意味に用いられることわざです。さしずめ、老衲(ろうのう)が大黒さんとめぐりあって幸いに射止めることが出来たのもこ…

木魚歳時記 第1508話

鮟鱇の待ち食い 鮟鱇(あんこうは)は深海魚です。深海の砂地に潜み、自身は動かずに、口唇(こうしん)の上部についたフサを疑似餌のようにひらひらさせて、小魚が接近するのをひたすら待ちます。そして、疑似餌に釣られて接近した小魚を瞬時に丸呑みしてし…

木魚歳時記 第1507話

虻蜂取らず 蜜に集まる虻(あぶ)も蜂(はち)も両方を取ろうとして、両方とも逃がしてしまった。つまり、あれもこれもと両方を狙って、結果、どちらもだめにしてしまうことの愚を戒めた諺(ことわざ)として用いられます。同義のことわざに「二兎(にと)を…

木魚歳時記 第1506話

鰯の頭も信心から 節分に柊(ひいらぎ)の枝に鰯(いわし)の頭をさして邪鬼を払う習慣があります。これに由来することわざです。たとえ、鰯の頭のようにつまらないものでも、それを信仰する人には、尊くて霊験あらたかなものとなるとの喩えです。そもそも信…

木魚歳時記 第1505話

鵜の目鷹の目 鵜(う)も鷹も獲物を発見するために、それぞれすぐれた視力を備えています。鷹は、地上の小動物を追跡する動体視力は人間の約8倍はあるといわれます。また、鵜の場合も水中の小魚を捉えるための動体視力はすぐれているのでしょう。このように…

木魚歳時記 第1504話

魚(うお)を得て筌(せん)を忘れる 筌(せん)とは、魚を捕るために作られた竹製の漁具のことです。つまり、「もんどり」とか笊(ざる)などのことを指します。ところが、いったん魚を捕ってしまうと、そのために用いた筌(せん)や笊(ざる)のことは忘れ…

木魚歳時記 第1503話

魚(うお)の目に水見えず、人の目に空(そら)見えず 空(そら)とは空気という意味です。なるほど、水を離れて魚は生きてゆけない。人は、空気のないところでは数分たりとも生存できない。これほど大切なものである水と空気も、それがあまりにも身近にあり…

木魚歳時記 第1502話

魚(うお)木に登るがごとし 騎馬に巧みな坂東武者も舟のいくさには弱い。つまり、本来の場所(ホームグランド)を離れると、どんな生き物も自由自在にはゆかないということわざです。ところで、句作にはこれが有効な場合もあります。いわゆる、逆転の発想で…

木魚歳時記 第1501話

牛の一散 ふだんは動作の鈍いように見える牛も、なにかのはずみに走りだすと、それこそ誰も止めることが出来ないくらいにいきり立つところから生まれたことわざです。おなじように。ややもするとふだんは鈍重に見えて、決断の鈍いような人が、そのときの機嫌…

木魚歳時記 第1500話

馬は立つほどに飼え、牛は寝るほどに飼え 十分に餌を与えられた馬は、常に、しゃきっと立っていて元気です(役に立つ)。十分に餌を与えられた牛は、常に、臥(ふ)していますが健康であります(よく働く)。そんなところから生まれたことわざです。ところで…

木魚歳時記 第1499話

馬を牛という 江戸時代の『雑和集』に次のような話があります。孔子が弟子と道をゆくと、垣根のところから「馬」が顔を出した。それを見た孔子は「牛」だといったそうです。それを聞いて、顔回(がんえ)という弟子は、いち早くその意味を悟ったといいます。…

木魚歳時記 第1498話

馬耳東風(ばじとうふう) 「馬の耳に念仏」とは、ニュアンスが異なります。馬の耳に風があたっても馬は何の反応も示さないように、周囲の讒言(ざんげん)を軽く受け流して耳も貸さないような、つまり「モノに動じない」飄々とした大物人間のことを指すこと…

木魚歳時記 第1497話

馬の耳に念仏 「猫に小判」その他似たようなことわざは沢山あります。馬にありがたい念仏を説いて聞かせてもそのありがたさがわからない。それとおなじように、、他人に親切に忠告してあげても、ただ聞き流すだけのような人を指して言うことわざです。 さて…

木魚歳時記 第1496話

牛は坊主の生まれ変り あまり聞き慣れないことわざです。その意味は、牛の飼葉(かいば)には生臭気がなく、例え、魚の骨が混じっていたとしても牛は食わない?牛にビールを飲ませることもある?それはともかく、主に飼葉だけを食う牛を見て、僧侶の食生活と…

木魚歳時記 第1495話

虫が入る 「虫が付く」と同義のことわざです。晩秋のころになると虫が冬眠のために地中に入り込むこと。あるいは、果実や種子を食べるために虫が入り込むことなどに由来するのでしょう。草紙には「年たけたる娘、虫入らぬ内と親の案しに事かわり・・」。など…

木魚歳時記 第1494話

馬には乗ってみよ、人には添うてみよ 馬の良し悪しは、実際にその馬に乗ってみなければよくわからない。おなじように、人間についての人柄の良し悪しも、ほんとうにその人間と、とことん付き合ってみなければよくわからない。このように、何事によらず実際に…

木魚歳時記 第1493話

鹿を指して馬という 秦(しん)の趙高は、臣下の忠誠心を試すためにあえて次のような企みをいたしました。それは、鹿を馬ですと偽って皇帝に差し出したのです。それを見た臣下のある者は黙し、また或る者は趙高にへつらって馬ですと同調したそうです。もちろ…

木魚歳時記 第1492話

猿の尻笑い 「猿の尻(けつ)笑い」と読めば、ご婦人の各位から総スカンを食いそうなことになります。サルが自分の尻(しり)の赤いのに気づかず、ほかのサルの尻が真っ赤なのを見て蔑(さげす)み笑う・・つまり「目クソ鼻クソを笑う」と同義のことわざであ…

木魚歳時記 第1491話

虎穴に入らずんば虎児を得ず 「トラの子」の言葉があります。本来、トラは神経質なところがある動物ですから、なかな配偶者に恵まれない。また、そうやすやすと交尾をしないものですから、したがって「トラの子」は貴重なわけです。そんな「トラの子」を得る…

木魚歳時記 第1490話

虎の尾を踏む心地 同義語に「薄氷(はくひょうい)を踏む心地」があります。恐ろしいとわかっていても、人生に幾度かはこうした場面と出くわすことはあるものです。そういうときは思い切って「虎の尾」を踏んでみましょう。踏み出せば道はひらけるかも・・と…

木魚歳時記 第1489話

前門の虎、後門の狼 前後から強敵に挟み打ちにされ、進退どうにもならないときに用いることわざです。ぼくなら、集団で狩をする後門の狼と争うより、前門の虎(王者)と、一対一で対決をして、堂々と活路をひらきたいものです。 さて「この人を師にしよう、…

木魚歳時記 第1488話

虎の威を借る狐 権力者の威光のお蔭でおのが利を計る狡猾者のことを指す諺(ことわざ)です。ところで、このことわざの由来は、キツネと一緒にいたトラが、トラの姿を見て逃げる動物たちを見て、キツネを見て逃げるのだと勘違いをしたという、中国版イソップ…

木魚歳時記 第1487話

烏の水垢離 「烏(からす)の行水」と同義のことわざです。なるほど、烏(からす)にかぎらず小鳥の水浴びはせわしないものです。これも外敵から身を守るためにはいたしかないことでしょう。転じて、風呂に入ってゆっくりと洗わずにすぐに出てしまう、ぼくの…

木魚歳時記 第1486話

鶏口となるも牛後となるなかれ 「鯛の尾よりも鰯の頭」と同じ意味の諺(ことわざ)です。「小さくとも一国一城の主(あるじ)を目指せ」ということです。中小企業の独創性(創意工夫)が支えてきた、世界に通用する日本の先端技術などはこれに該当します。こ…

木魚歳時記 第1485話

牛耳る 正しくは「牛耳(ぎゅうじ)を執(と)る」と云います。なにごとによらず、組織・団体・グループをリードしてイニシャティブを取ることを云います。古代中国において同盟の団結を誓うために、牛の耳をそぎ、その血をすすりあった故事に由来します。我…

木魚歳時記 第1484話

暗がりの牛 今では、とりわけ、都会においては「暗がりの牛」といっても、なんのことか、その雰囲気すら思い浮かべることは難しいかも知れません。真っ暗な牛舎の中で、牛がフーツと鼻息を吐く光景は、実際、特異なものがあります。こうしたところから、万事…

木魚歳時記 第1483話

ウマが合う 今は、気の合った友達という意味で用いられています。でも、もとはといえば、競走馬と旗手がピッタリと呼吸が合って、一体となれるところから出た諺(ことわざ)です。すこし視点は異なりますが、やはりことわざに「馬は仕込んだのを選べ」「咬む…