欲深の猿
欲の深い猿が棲んでいました。その猿は今日も、たくさんの木の実を抱え込んで、木の上で、誰にも邪魔されないように食べておりました。ところがふとしたはずみに、木の実の一粒がこぼれて地面に落ちてしまったのです。欲張りの猿は地面に落ちた木の実が惜しくて、それを拾うために地面に降りようとしました。そのはずみに、両手の木の実がぽろぽろとこぼれ落ちてしまいました。そして下で待ち受ける猿たちに食べられてしまいました。欲張りの猿は、一粒の木の実を惜しんだがために、すべての木の実を失う結果となったのです。ボサツはこの話を、欲張りの王のところでしてお上げになりました。(『百喩経』)
さあみなさん氷柱に触れてごらんなさい
氷柱(つらら)