木魚歳時記 第1873話

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おかしな蛇

 おかしな蛇がいました。というのは、ヘビの頭の部分は「俺(頭の部分)こそ蛇の本体である」と主張していました。一方、ヘビの尾の部分は「俺(尾の部分)こそ蛇の本体である」と主張して譲りませんでした。或るとき、この蛇が木から下りる時のことです。尾の部分が木に巻き付いたままで蛇は木から下りられません。そこで、頭の部分が尾の部分に苦情をいいました「おまえはいったい何をしているのだ。これでは降りられないではないか」と。そこで、突然、尾っぽが木から離れたので、蛇は、焚き火の中に落ちて死んでしまいました。ボサツさまは、この話を、内紛の絶えない王のところでしてあげられました。(『比喩経』)

            熱燗やもう酔つてゐる羅漢さま