木魚歳時記 第1223話

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岩倉

 岩倉(いわくら)は、『源氏物語』の若菜の巻きにも「北山のなにがしの僧都(そうず)の庵(いおり)として登場するごとく、このあたりには、大雲寺、実相院など
など由緒ある寺がならび、古来から和歌・文学にしばし登場する土地柄です。そもそも、岩倉の原義は、岩倉上蔵町にある石座神社にあるといわれます。すなわち、イハ(斎)クラ(谷)で「神を斎(いわ)いいます谷(くら)の意味となるからです。またこれは「磐座」とも書くこともあります。堅固な神の御座所という意味だそうです。この磐座信仰(山の石を神の降臨とみる信仰)は全国各地にみられるようで、大小の岩石のあるところには、足跡石、天狗石などと名を変えて信仰されていることもあるようです。
叡山電鉄鞍馬線岩倉

     残暑なほ竜馬残せし刀疵