木魚歳時記 第983話

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下から子供が「ざくろさん、
熟れたら私にくださいな。」
上からからすが「あほかいな。
おさきに私がいただこよ。」
あかいざくろはだんまりで、
下へ、下へと、たれさがる。 (金子みすゞ

 「求不得苦」(ぐふとっく)とは。だれでも老・病・死から逃れたいという欲望を持ちます。しかし、老・病・死から逃れることはできません。なぜなら、老・病・死は自然の摂理(せつり)だからです。ならば老・病・死を<あるがまま>に受け入れ、老・病・死と<あるがまま>に向き合うことです。シッダルタは、老・病・死の問題を起点として「すべてはうつりかわる」。「すべてはかかわりあう」。この二つの真理に目覚められブッダ(覚者)となられました。

     花筏十石舟のかはしけり