木魚歳時記第4775話

 熊谷の居ない吉水の中の房では、聖覚の姿もめったに見えず、親鸞が兼実の末娘を娶(めと)ったのを妬(ねた)み誹謗する弟子たちもいた。師法然がこれを是認していただけに、門下の反感はなお募(つの)り行くかに思われた。
 吉田から七条の兼実別邸に移って摂関家の婿となったのを、名聞利養を求めると見られ、また、吉水僧房の社会的信用を傷つけるものとする人もいた。
(佐藤春夫『極楽から来た』)1409

       耕せば虫がいっぴき死にました

  この俳句は、幾度もこのブログに掲載させて頂きました。つまり、それだけぼくの脳裏に焼き付いています。王子シッダルタ(後の釈迦)は、土から出た虫を、鳥が啄(つい)んだのを見て、出家を決意されたと伝えらています。つまり「四苦」(生・老・病・死)との出会いであります。煩悩との葛藤の中で、村娘スジャータの捧げるヨーグルトをお召しになり、悟りに至られたと伝えられます!