木魚歳時記 第982話

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泥のなかから 蓮が咲く。
それをするのは 蓮ぢゃない。
卵のなかから鶏がでる。
それをするのは鶏ぢゃない。
それに私は気がついた。(金子みすゞ

 出家者(しゅっけしゃ)の清らかさはどこから? シッダルタはその境地に至るため、6年間の苦行(肉体の鍛錬と精神の自立)を続けられます。しかし目的を果たすことができずその苦行が限界に達したとき、村娘スジャータの捧げる一杯のヨーグルトをお飲みになり、にわかに出家者の境地に至られたと伝えられています。その出家者の境地とは「求不得苦」(ぐふとっく)、すなわち、求めようとして求め得られない欲望に執着(しゅうちゃく)して苦しむ煩悩(ぼんのう)より開放された者の境地でした。

     養分のここに集まる春の山