木魚歳時記 第1009話

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生きるんだよ 生きるんだよ
どんなに くるしくても (木村夢相)

 釈迦(しゃか)がまだ出家(しゅっけ)されず、太子(たいし)、すなわちシッダルタ王子であったころのことです。『仏本行集経」(ぶっぽんぎょうしゅうきょう)に「四門出遊」(しもんしゅつゆう)の喩(たと)えとしてこんな話が伝えられています。
 シッダルタ王子が、都の東南西北にある城門から郊外に出かけられるとき、それぞれの城門のところで老人・病人・死人・出家者を見かけられ深く感じれたそうです。とりわけ、北門のところで出会われた出家者のもの静かで輝くようなたたずまいに魅かれ、王位も家族も捨て出家(しゅっけ)を決意されたと伝えられています。これにより「生・老・病・死」が釈迦の教えの出発点といわれます。

     だしぬけの大音声や牛蛙