木魚歳時記 第967話

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ひとり生れひとり死ぬ

 『無量壽経』(むりょうじゅきょう)にあることばです。「生死を共にする」ということばもありますが、なるほど、人間はひとりで生まれ、ひとりで死んでゆくものです。
 ぼくは葬儀(そうぎ)の後で、遺族や参列者に次のような話をします。「故人は、49日にかけてお浄土へと旅立たれます、たったひとりの旅です。誰も一緒に行ってはくれません。残されたわたしたちは、故人のために何をしてあげられるのか? それは、お浄土のアミダ仏さまに、故人の往生(おうじょう)を願うことです。つまり、故人の往生を願う<ナムアミダブツ>のことです。この<ナムアミダブツ>の祈りを49日間持続することです」。

     墓一つ更地になりて花の冷