木魚歳時記 第520話

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 「安心」(あんじん)と濁って読みます。宗教的には、煩悩により起こる不満が払拭されて不動の境地に達した心の状態を指します。浄土教においては、アミダ仏の救いを信じ、極楽浄土への「往生」(おうじょう)を願う心の状態・・と、説かれます。

 例えば、母親の胸に抱かれて、おっぱいを飲んでいる赤ちゃんのことを想像(思い出して)下さい。このときの母親と赤ちゃんの心の状態、つまり一切の打算を含まない究極のやすらぎ、絶対のやすらぎ・・これが「安心」の説明となるでしょう。極楽浄土へ救い摂ることを願いとされるアミダ仏。それを信じて、極楽浄土への「往生」を願う衆生。その関係は、母親と赤ちゃんの関係なのです。

   自来也のひょいと降りたるざくろの実