木魚歳時記 第880話

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石 玉をつつみて山暉く

 中国、晋(しん)の時代の陸機(りくき)のことばです。石の中に玉があれば、そのために山が暉(かがや)くように、人間も、学徳がそなわっていれば、それはおのずから外に現れてくる。
 仏教では「一切衆生悉有仏性」(いっさいしゅじょうしつうぶっしょう)と説きます。この世に<いのち>あるものは、そのすべてに「仏性」(ぶっしょう)、つまり仏(ほとけ)となる種子を宿している。この仏(ほとけ)となる種子が発芽し大きく育つように、お互いが、お互いの<いのち>を尊重しなければならない。これが仏教の教えです。

     中腹に煙ひとすじ秋の山