木魚歳時記 第987話

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小ちゃな雀が死んだのに、
芥子は真紅に咲いている。
知らないのです知らせずに、
こっそりそばを通りましょう。
もしもお花がきいたなら、
すぐにしぼんでしまうから。(金子みすゞ

 浅原才一さんは、妙好人(みょうこうにん)と呼ばれた念仏信者です。才一さんは、寝そべっている犬のそばを通るときも、犬に手を合わせて通り抜けたそうです。これを見た人が不思議に思って尋ねると「犬も仏(ほとけ)と成る種を宿している。それがありがたくて手を合わせて通り過ぎるのじゃ」と答えたそうです。人も、鴉も、草も・・みんな仏(ほとけ)と成る種を宿している。みんな仏(ほとけ)に成れる。これを「仏性」(ぶっしょう)といいます。

      僧院に春が遅れてやつてくる