木魚歳時記 第879話

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多ければ則ち惑う

 『老子』(ろうし)に「少なければ則(すな)ち得(え)、多ければ則(すな)ち惑(まど)う」とあります。人間の欲望は限(かぎ)りがありませんから、多すぎてはその用い方に誤りが生じるのです。
 釈迦(しゃか)は、『遺教経』(ゆいきょうぎょう)の中で「多数の人は、利を求むるこの多きが故(ゆえ)に苦悩もまた多し、少欲(しょうよく)の人は、無求無欲(むぐむよく)なれば、すなわちこの患(うれい)なし」と説いておられます。お寺に行くと、よく「知足」(ちそく)、すなわち「足(た)ることを知る」と掲げてあるのはこのことであります。

    方形に水の澄みたる用水池