木魚歳時記 第218話

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僧院に ガム噛む少女 夏きざす

 「菩薩」(ぼさつ)とは、この世にあって、自身の「さとり」(真実の探求)を求める修行者(人間)のことです。また、菩薩は自身の「さとり」を求めるだけではなく、他の人々をも「さとり」に導くことを目的とします。すなわち、現実社会において悩み苦しむ衆生に対して、真実に生きる道を示すために努力するのが菩薩であります。ですから菩薩とは、①自身の「さとり」。②他者をも「さとりに」に導く。この二つの目的を果たそうと修行をいたします。そしてこの目的を達成して、はじめて「仏」(ほとけ)と成り給うのです。

 人間釈迦は、2500年ほど前、インド・釈迦族の王子として誕生されました。29歳で「出家」(しゅっけ)され、やがて「諸行無常」(しょぎょうむじょう)と「諸法無我」(しょほうむが)の二大真理に目覚められたと伝えらます。そして、80歳で入滅されるまで、この二大真理を広めるために伝道されました。すなわち「仏教」の始まりであります。

 仏教における「菩薩」(人間)と、「仏」(ほとけ)の関係は、多神教と一神教の違いこそあれ、キリスト教における「イエス」と「エホバ(神)」の関係に近いといえます。

    「夏めきて しぶとかるべし 白癬菌」