木魚歳時記 第113話

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春愁の 一山買ひて 独り酒

王子シッダルタ(2)

 シッダルタは幼少の頃、父浄飯(じょうぼん)王に連れられて農耕祭にでました。ところが、シッタルタが姿を消したので捜してみると、大きな木の下で考えこんでいた。父王が不審に思っておたずねになると、シッダルタはいいました「農夫が掘り起こした土の中から虫が這いだした。それを舞い降りた鳥がついばんでしまった。すべての生命は他の生命を犠牲として成り立っているのだろうか?」。この<いのち>の無常さ、<いのち>の冷酷な仕組みに接して、シッダルタ考え込んでしまったのです。

 このようにシッダルタは、幼年期にしてすでに繊細な心遣の持ち主であり、それが成人するにしたがって、瞑想的・思索的な性格へとつながっていった?これがエピソードの三番目です。29歳にして出家される要因の一つでしょうか?