母さん知らぬ草の子を、
なん千万の草の子を、
土はひとりで育てます。
草があをあを茂ったら、
土はかくれてしまうのに。(金子みすゞ)
父シュドダナ王と母マーヤ夫人の間に長男として生れたシッダルタは、将来、国王としての地位を約束されていました。しかし、周辺に小国がせめぎあう状況の中で、国王となることへの重圧がシッダルタの心中にのしかかっていた・・これは事実かもしれません。また、母マーヤ夫人はシッダルタを生んで七日目に亡くなられました。その後、マーヤ夫人の妹に育てられるのですが、幼いときに生母と死別したことは、シッダルタ王子の人生観に影響したともいわれています。