木魚歳時記 第85話

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女あり 男三癖を 追儺する

 「爺い、どうしてなの?」。 やんす姫がいうのは、男は家に帰ると、風呂・めし・寝るを唱える。それが不思議というのでがんす。

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 「爺はいわないでがんす」。それは、大黒さまが<三つ指>ついて待っておられから<三癖>などほざくと、即、<ついな>の儀式となる。
 お釈迦さまの覚られた「諸行無常」(しょぎょうむじょう)と「諸法無我」(しょほうむが)の二つの真理がわかれば、思うことも<おおらか>に、行動も<ありがままに>となるでがんす。
 爺いも、かって「こだわりの真ちやん」と呼ばれたでがんす。そこで、退職するとき「心が自由になる」、「空(くう)の道を志す」と誓ったでがんす。しかし、宣言は立派でがんしたが、すぐに頓挫したのでがんす。しょせん、木魚は木の魚、芯の髄まで「空」(から)なのでがんす。