木魚歳時記第4899話 

 しかし疑えば良経の旧領にまだ九条家の勢力が残っていたのではあるまいか。さもないと親鸞が越後に流されている事実は理解しにくい。すると法然も讃岐ではないといい切れまい。何れにせよ、法然の流刑は、流された同じ年の十一月に十七日、最勝四天王院の供養に因る大赦(たいしゃ)があり、十二月八日に放免の宣旨を下された。僅かに九ヶ月の流刑でであったのは、ただ南都北嶺の訴えに対する朝廷の一時の申し訳的方便にすぎなかったと知れる。

(佐藤春夫 付録章『一枚起請文』)

      夾竹桃咲くころ棺かつぎたり 棺(ひつぎ) 

 「夾竹桃」(きゅちくとう)は夏季となります。さて、ぼくは「夾竹桃」の強烈な印象が好きです! やはり、天竺(てんじく)原産の樹木だからでしょうか? しかし、インド原産の沙羅(しゃら)と、どちらかを選べるとしても! それでも夾竹桃の方を選ぶでしょう。ふむ(汗)。