木魚歳時記第4766話

 法然は平素、
「浄土の法門と遊蓮房とに逢ったことこそ人界に生をうけた思い出である」
 といっていたものであったが、円照(遊蓮房)の最後も師法然にとっては必ずや大満足であったろう。法然はおのれが阿弥陀仏に対するように、すべて自己を滅して従順無我な、それでいて決して囚われない自由な態度を弟子たちに望んで、その典型を遊蓮房に見たのであろう。
(佐藤春夫『極楽から来た』)1401

      10 極月のマンダラにある方と円

 「マンダラ」とは、仏、菩薩、諸尊、神(守護神)などの悟りの世界を象徴するもの、つまり、仏塔的な悟りの世界を画いた図絵のことです。その世界(図絵)は、つまり、「方」(ほう)と「円」、つまり、直線と曲線とから成る。真言密教を学ぶために大陸に渡った「沙門空海」が見たものとは・・「マンダラ」という驚きの世界であった! のかも知れません(汗)。