木魚歳時記第4743話

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   第三十章 吉水につどう人々

(一)法然は覚快が青蓮院を管していた治承(じしょう)のころに、青蓮院領の大谷の地に、嵯峨から移り住んだが、西山のほとりで、その前住の地によって黒谷の上人と呼ばれていた法然は、ここに移ってしばらくの間は、青蓮院の法楽寺郭内の一宇、曼荼羅堂に居たとみえ、法楽寺の上人とか曼荼羅堂の上人とも呼ばれた。
(佐藤春夫『極楽から来た』)1380

         死はときに媚薬のごとし蒙古風 

 「虚構俳句」がつづきます。蒙古風(もうこかぜ)とは黄砂のことです。霾(つちふる)の季語(春季)もあります。さて、媚薬(びやく)とは? 「惚れ薬」ということ? 黒沢明監督のオムニバス映画(『夢』)に、雪山で、美女が死に誘われるシーンがあるそうです? それが甘美かどうかはべつとして、ぼくは凄いシーンだと興味があります(汗)。